読書生活 with TOKYO Smart Life

ビジネス本を中心に、読んだ本の感想とちょっとした要約をブログ形式でご紹介

1分で話せ 結局相手を動かしてなんぼ

 

 

【読むべき人】伝えたいことをがうまく伝わらない

【読むと得られること】無駄な情報を削ぎ落とし、印象に残るような情報の伝え方の意識

【本書のキーワード】

  • 相手が動くために、できることをすべてやる
  • 意味が繋がればロジカル
  • 理解、賛成、あと一歩は?
  • 正しさだけでは人は動かない
  • 頭の中に生まれたイメージ、自分に当てはめて考えるようになるかどうか
  • 伝えたいことを一言キーワードで表す

 

理解してもらうはゴールにならない、結局動かしてなんぼ

会議や商談において、うまく話すことや突拍子もない質問に対応するための準備にばかり時間を割いてしまうことには身に覚えがあります。つたないしゃべりでも、伝えるべき情報やキーワードを相手に印象付け、相手に行動を起こしてもらうことが本質的な目的であるはずですね。本書は相手に行動を起こしてもらうための具体策を示しながら、そのような目的の履き違えを正す機会を与えてくれそうです。

ただしやることや意識することはシンプルで、「相手が動くために、できることをすべてやる」だけです。これが当たり前とわかりながら意外にできていないんじゃないかと思います。事前の根回しやプレゼン、商談後のアフターフォローなどは決して失礼でもルール違反でもないのに、思ったほどできてない。それはきっと相手に起こしほしい具体的なイメージができてないからなんでしょうね。これは仕事の場に限らず、プライベートでも家族や友人、恋人に頼みごとをするときにも使えると思いました。相手にこうしてほしいという事柄だけではなく、その目的を達成するための行動もイメージして示してあげる必要があることを、本書を通じて気付きました。

 

あと一歩の背中を押すもの

賃貸に住み続けるよりマンションを買えばいずれ自分の資産になる。いま目の前に希望の条件に合った物件がある。でももっといい条件の物件があるかも、価値が下がるかも、単純にローンを組むのに勇気がいる。良いのはわかっているけど、あと一歩、あと一押しがあればなぁ。大きな決断ほど、デメリットがちらついて決めきれないのが人というもの。人は正しいとわかっただけでは行動しない、面倒くさい生き物のようです。

本書では最後のあと一押しは「自分に当てはめて、頭の中に理想的なイメージが湧くかどうか」に掛かっているということです。やはり最後に訴えかけるのは人の感情ということなのでしょうか。

そのキーワードは「想像してみてください」というセリフ。たしかにそう言われると自分なりの前向きなイメージを頭の中に思い浮かべるでしょう。

短歌や川柳に文字制限がありつつ情景を豊かに表現できるのは、無駄を極力削ぎ落とし、言葉にリズムがあるからだと思います。CMや広告のキャッチコピーが印象に残るように、プレゼンや商談で最も印象付けたい言葉が、自分が最も伝えたいキーワードになるよう構成を作る。これは著者が最も伝えたかったことだと私は理解しました。ビジネスでもプライベートでも使える、気づきの多い一冊でした。

★★★★★ 92点